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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

金色のガッシュ!! 感想 8

金色のガッシュ!! 感想 8


13巻 Level.242~Level.261

・VS心臓の魔物
一番幼い外見のエリーが一番肝が据わっているように見える。
世界を救うため、呪われた自分の命を捨ててでもファウードを魔界に帰そうとしたほどです。
呪いでボロボロの状態でも呪文を唱えますし、体躯に似合わぬ闘志の持ち主。
術を使う前のアースの口上は必要なんでしょうか。
あれを挟むことで威力が上がるとか?
何らかの理由がないと、わざわざ隙を作るだけです。
カルディオ&サウザーはウマゴンと再戦すると思っていましたが、そうはならなかった。
バリーといい、カルディオといい、再戦せずに退場するな。
バリーの方はこだわりを捨てることで強くなったと語られたので納得できますが、カルディオは惜しい。
せっかく仲間と戦うことで生まれる強さを知ったんですから、再戦してほしかったなあ。

・VSロデュウ&チータ、ジェデュン&ルン
ジェデュンって言いづらい。とても言いづらい。
登場人物が「ジェデュッ……」と噛まないのが不思議でたまらない。
カッコよく決めているゼオンが「ジェデュッ……ン」となったらいたたまれない空気が流れそうだ。
己の行動を疑いもしないロデュウに、チータが疑問を投げかける。
だよなあ、「らしく」ないもんな。
キャンチョメが己を奮い立たせるとき、バリーの姿も思い浮かべてくれたのが嬉しい。
倒れたキャンチョメを柱に閉じ込めるのは、壊れる日本の姿を見せつけ、人間の悲鳴を聞かせるため。
ゼオンさん、いい趣味していらっしゃる。
ティオをゴミ女呼ばわりするロデュウもいいですねー。それでこそぶっ飛ばされた時スカッとします。
それでもチータを自分の体で炎から守るし、彼女が熱で倒れそうな時は「チータ!?」と驚く。
バニキスの再登場に同情したくなった。
こんな形で引っぱり出されるとは。もうそっとしておいてやれよ……。

皆が傷つき倒れ、ロデュウが哄笑する中で……清麿が現れた。
凛々しい表情からのセット、そしてザケル!
第一の術が凄まじい威力を発揮し、ロデュウが叩き落された。
清麿の顔に怯えるゼオン……いい表情しますね!
あのデュフォーまで呆れ顔ですし、ロデュウはギャグ顔。顔崩れてますよ。
ジェデュンに間合いについて注意するロデュウ。チンピラまっしぐらな言動のわりに、よく見ています。

ジェデュンをあっさり倒したガッシュと清麿。
うーん、爽・快。
これまで、不足しがちな攻撃力を策と仲間の力で必死に補って泥臭く戦ってきましたから、カタルシスが跳ね上がる。
退場するジェデュンの秘密が明かされる。
彼女、「ヤンコ」以外の言葉も喋れました。
恥ずかしがり屋だったから話せなかったそうです。

ロデュウはまだ戦う気満々ですが、勝ち目はありません。
またデュフォーの「頭悪い」発言がきました。
正面から弾くのではなく、弾きやすい角度で撃ち込んだ。
バリーの弱所突きも似たようなやり方だったのかな。
動きを封じられたロデュウに襲い来るお仕置きの嵐。
ここは笑った。
呪文連発→息継ぎ→また連発→回復→まだまだ連発とどめにテオザケル。
最初読んだ時、「強敵だったのにギャグキャラとして散っていくのか。外道とはいえちょっともったいないな」と思いました。

・VSゼオン&デュフォー
何故世界を壊し人々を殺そうとするのか問い、ファウードを止めるよう叫ぶ清麿。
デュフォーの答え。
「人間は、特別に大切にされるべき命ではない」
そこまではボスキャラにありがちな思想ですが、好感が持てるのは、自分自身も含めていることです。
「○○は滅べ!」なキャラに「お前も○○だろ」とツッコみたくなるので。
命に価値がないと感じているが、ファウードは特別。今まで見たことがない景色を見せてくれるから大事。
玩具を手に入れた子供みたいだ。
戦いを以ってしか止められない。
ゼオン戦、開幕。
ゼオンのテオザケルの弱所を見抜き、そこに術を撃ち込む。
弱所……やっぱりバリーがやっているのも同じなのか。

ゼオンがガッシュを憎む理由。
ガッシュにバオウが与えられ、ゼオンは厳しい教育や訓練で強くなるしかなかった。
自分が苦労して強くなったのに、ガッシュは自由に暮らし、ろくにバオウを使えずにいる落ちこぼれ。
憎しみをぶつけるゼオンにガッシュは王を目指す理由を語る。
戦いを強制されるコルルや友人に裏切られたティオを例に挙げ、そのような者を出さないために王になる。
ガッシュ達の父親が今の魔界の王。
無理矢理戦わせたのも父の意志。
人々を苦しめる父を超えろ、という目標がここで出たんですよね……。
この辺の引っかかりは、コルルの人格の件と合わせて、最終話で詳しく語ります。

・アンサー・トーカー
予測や予知ではなく、答えそのものを瞬時に導き出す能力。
便利!
強力!
死の淵を乗り越えて得たから、あっさりゲットでもない!
燃える展開です。
ただ、これまでの「戦いの中で新しい呪文の性質を少しずつ把握」「必死に頭を働かせて状況を打開」などの描写が良かっただけに、いきなり答えが出る域までいくと戸惑ってしまう。
敵が使うならともかく、主人公サイドが使うと便利すぎませんか?
物語の都合上困ることにならないか、疑問と不安を感じるレベルです。
「何でここでこれに使わないの?」「○○という質問の答え出せば最初から解決するだろ」となりかねない。
「戦闘時にどう行動すべきか一瞬で分かる」など、限定的では駄目なんだろうか。本を通じて己とガッシュの力を最大限に引き出し合った時だけ可能ということで。
戦闘全般で使用できるだけでも十分便利です。
弱所突きにとどまらず、そもそも相手に術を撃たせないよう立ち回ることも可能で、汎用性が高い。

・ガッシュ達の父親
物語の都合もあるとはいえ、「何とかできなかったのか」と言いたくなる点がゴロゴロと。
千年前の魔物放置は仕方ない。
「救出しようとしたものの、魔界と人間界を行き来する方法を見つけられなかった」などの経緯が考えられる。
問題は兄弟に対する仕打ちだ。
三歳のゼオンが過酷な訓練で血反吐吐いても優しい言葉の一つもかけない。
自分と待遇の違いすぎるガッシュについて質問しただけで拷問じみた罰を与える。
休ませず朝まで訓練を続けさせ、さらに訓練の時間を増やす。
もう一度言う、三歳の子供だぞ。
魔物だから体が頑丈だとしても擁護できんわ、微塵も。
心を鍛えるどころか叩き潰す気満々としか思えん。
王を決める戦いに、自分と違って遊んでいる、落ちこぼれのガッシュも選ばれたと知って、ゼオンの心が限界を迎えた。
父はガッシュを王にしたがっている、自分が厳しく鍛えられたのは憎まれているだけと考えるのは発想が飛躍していますが、あんな仕打ちを受け続けて前向きに受け止めろというのも無茶な話です。

修行の成果でバオウを破ろうと躍起になるゼオン。
ジガディラス・ウル・ザケルガ……アポロにこれをくらわそうとしたデュフォーはどんだけ怒ってたんだ。

14巻 Level.262~Level.282

・ロデュウとチータ
バオウが破られ、ガッシュが意識を失って絶体絶命の窮地を救ったのは……パピプリオォ!?
チェリッシュは予想しないでもなかったが、パピプリオとルーパーは完全に意表を突かれた。
チェリッシュは囚われた仲間達を救出し、送還。
ティオが新たな呪文でガッシュ達を守る中で、ロデュウが復活。
ロデュウに様づけしているパピプリオ。それほど怖がっているのかと思いきや、心から慕っていた様子。
ゼオンの意のままに動く彼の目を覚まさせたのは、チータの言葉でした。
「ゼオン、てめえ、誰に向かって命令してやがんだ?」
来たあぁ、命令されるのが大嫌いな筋金入りのチンピラ根性に火が点いた!
チンピラ呼ばわりしてきましたが、ここまで貫くならば尊敬を覚える。

ファウードの力を得た者が、ファウードの主たるゼオンに叛逆すれば死は免れない。
そう聞いて衝撃を受けるチータは、冷静沈着な彼女にしては珍しく、呪文を唱えることができない。
ロデュウを喪いたくないんだな。
彼女が戦えなくてもゼオンに向かっていくロデュウ。
彼はチータに己の想いをぶつける。
「オレはてめえが大っ嫌えなんだ、出会った時からずっとよぉ……」
ロデュウみたいなチンピラなら、嫌いな相手には「ウゼェ」「消えろ」「くたばれ」と言うでしょう。
「大っ嫌え」という言葉に異なる感情が込められているように思えてならない。
暗い部屋で沈んだ表情をしていた彼女にとって、ロデュウの姿は眩しかったかもしれません。
思うままに振る舞い、周囲の視線や罵倒を気にせず笑える強さがあるわけですから。
チータの仮面はロデュウが贈ったものだったのか。
どんなデザインが似合うか精一杯考えたなら微笑ましい。
涙ぐんでいるチータを抱き寄せ、顔を近づけ、ロデュウは言葉を贈る。

「強く……生きろ」
「てめえ自身が強けりゃよ……目の傷なんてなんでもねえ……。もっと笑えるし、まっすぐ立てるし、ほれる男も出てくらあ」

綺麗な言葉ではない。
清く正しい内容とも言いがたい。
悪党のままの、彼らしい台詞です。
彼が死ぬ前に本を燃やしたパピプリオにもグッと来た。
彼の意を酌み、最後の一撃を撃たせるための行動。最後まで様づけしていますし、本当に慕っていた。
激痛の中で不敵に笑うロデュウ。燃える本を握りしめ、泣き崩れるチータ。
ゼオンも、避けられるはずの一撃をあえて受けて器を示した。

ファウード編で心に残る送還を三人挙げろと言われたら、ザルチム、バリー、ロデュウになります。
ザルチム:しんみりした空気を感じさせずに退場すると思っていた
アリシエとリーヤの絆の引き立て役として「ウギャアアア」と叫びながらやられる結末を半分冗談半分本気で覚悟していた。
バリー:「ガッシュを倒すのはこのオレだ!」というよくあるライバルキャラになると思っていた
「あのバリーが負けるとは……」もしくは「やるじゃねえか、ガッシュ」という形で退場すると思ってました。
ロデュウ:ギャグキャラに転落した以上、余韻の感じられない退場の仕方になると思っていた
チンピラながらも芯があるので、ただやられるだけだとちょっともったいないなと思ってました。
全員予想を裏切られたキャラですね。

・VSゼオン&デュフォー最終決戦
信念を貫き、命を燃やして立ち向かったチェリッシュやロデュウの姿はゼオンに影響を与えていた。
ガッシュが起きるまで待ち、全力を出させたうえで、正面からねじ伏せようとする。
ガッシュもバオウの正体を見抜き、制御し、喰らうべき対象だけを喰らわせる。
ここでデュフォーの過去が明かされる。
実験動物として扱われ、怒りや憎しみを育てられ、人殺しの道具にされ、母親に金で売られたと明かされ、処分されかけた。
一万ドルという半端な金額がなおさらやりきれない。
全体的に回想が短め&あっさり目に描かれる作風だからまだいいものの、じっくり描かれたらどこまでも凄惨に……。
笑みとともに流した涙が重い。
殺されかけたところを魔物に救われるのはシェリーと同じですね。台詞も同じです。

デュフォーの深い憎悪を悲しみ涙を流すガッシュに、デュフォーは疑問を抱く。
疑問を抱く?
すぐさま答えを導き出せるデュフォーが。
涙する彼にゼオンが微笑むのですが、その時の笑みが優しいんですよね。
憎悪の中で出会った二人ですが、絆で結ばれていた。
ジガディラスが破られ、ゼオンはデュフォーだけでも逃がす。
あんな境遇でも互いのことを大事に思えるのは、心が憎悪に染まりきってなかったということですね。
戻れない領域までいってもおかしくありませんが、そうならなかったのは、根がまっすぐで優しかったからでしょう。
それを歪めた父親や研究者達に怒りが湧く。

バオウをくらったゼオンはガッシュの記憶を見る。
ガッシュにバオウを与えて遠ざけた理由が語られるのですが……マジで父親は何がしたかったんだ。
登場人物と違い、「神の視点で多くの情報を得られる」上に「後の展開を知っている」読者の目であれこれ言うべきじゃないと分かっています。
それでも疑問に思わずにはいられない。
修羅の心を多く受け継いだゼオンに、危険な力であるバオウを与えるわけにはいかない。使えばたちまち支配されてしまうから。
確かに、与えるのは避けたいですよね。
問題はその後だ。
怒りや憎しみを持ちやすいと分かってるならなおさら優しく接しろよ!
逆効果だろ!
完全に道を踏み外す前に戻れたからよかったものの……。
バオウを宿したガッシュが狙われないよう、生まれなかったことにして民間に預ける。
ここまではいい。
預け先をもっと吟味しろよ!?
厳しく叱りつけ、ことあるごとに叩く相手と暮らし、孤独を感じる日々……ガッシュまで怒りと憎しみに染まるところだったぞ。
ガッシュがもう少し弱かったら耐えきれなかった。
やり方を変えて兄弟の苦しみを軽減できたはずでしょう、自分で苦渋の決断などと言わないでくださいよ。
「厳しい仕打ちや冷たい態度は相手を想っての行動だった」というのはお約束なので、ある程度は「いい話だなー」で済ませて追及しようとは思いませんが、あまりにも酷すぎて納得できない。
感動するどころじゃなく呆れるレベル。

自分に父や母、兄がいると知って喜ぶガッシュの姿がいじらしい。独特の口調も家族と暮らすためだった。
呑気に遊んでいるだけと決めつけて憎んできた弟は、自分とは異なる苦しみを味わい続け、家族……「お兄ちゃん」と暮らすことを楽しみにしていた。
真実を知った時のゼオンの心境は……歪みきっていないからいたたまれないだろうな。怒りのやり場がない。
ゼオンは己の愚かさを悟ってガッシュに詫びる。
家族で一緒に暮らすことを約束し、デュフォーにも「生きろ」と告げる。彼といた時間は楽しかった。
全ての憎悪をぶつけたデュフォーも、涙するガッシュの姿に何かを見て、「いつ死んでもかまわない」という考えを捨てると約束する。
変化を示すように、デュフォーも暴走したファウードを止めるために動き出す。早速答えを見つけようとしていますね。

ファウードを倒してから一か月後、デュフォーはアフリカに。
えらく遠くまで来たな。
病気の子供の泣き声がうるさいから治療を施す。
照れ隠し等ではなく、本心だろうな……この時点では。
感謝する村人に人はいずれ死ぬ、救ったことも意味はないと語ると、何故お前は生きていると返される。
ゼオンとの約束。それだけ。
……ドライな。
生きてくれ、生きなきゃいかんと訴える村人に「なぜだ?」。
アンサー・トーカーをもってしても答えが出ない問いか。
即答した村人がすごい。
生きてまた村に来てくれ。お礼を言いたいと涙する村人。
夜明けの光を指差され、ガッシュやゼオンからの愛を感じたデュフォーが涙する。
「ありがとう……ガッシュ……そしてオレの家族、ゼオン……」
ゼオンがデュフォーを生かそうとしたように、デュフォーもゼオンを大事に思っていた。
相手がいなくなってから気づくのが切ない。

・夢
問:バトル漫画の主人公が強力かつ便利すぎて物語を展開させづらい能力を覚えました、どうしますか?
答:負担が大きいという理由で使えないようにする
この発想自体は普通です。
問題はなくし方だ。
力技すぎる……!
無くすとしても、「激闘の疲労で倒れ、死んだように深い眠りに就くか高熱を出した後に消失」的なシリアスな描写を予想してい巻いた。
アホな夢を見て使えなくなるとは誰も予想できない。
「アホのビンタをおみまいよ!」
サンビームさーん!
「ブラゴ大将軍!」
ブラゴォォ!
ツンデレ大将軍の大将軍はここから来ているのか。
アホのお手玉おみまいするのはやめてくれ!
孤高のライバルが大惨事になってるぅぅ!

・アシュロンとリーン・ヴィズ
アシュロン登場。
来た……!
竜族の神童の片割れ。
魔物の子の中でもトップクラスの人格者だと思います。
実力と人格の完成度がずば抜けている。
静かにお宅を訪問し、人のこない場所を指定し、マントの戻し方も教えてくれる紳士。
人間できてる。
文句の付けどころがありませんが、一つ言いたい。
子、供……!?
おっさんと言われてもおかしくない貫録がある。
アシュロンの目はエルザドルと同じ強者の目ですね。
拳の語り合いで相手の心を知り、満足げな笑みを漏らすアシュロン。
こういう武人系のキャラ、大好きです。
デザインも正統派で、重厚感があって、魔物で一番好きかもしれない。
リーンは謎が多い。特にあの髪の毛。
喋り方でからくりサーカスの阿紫花を連想する。

・特権
残り十名になった魔物に知らされる、王となった者の特権。
現在魔界の住人は全員魂だけになっており、王を決める戦いに生き残った一名は、嫌いな魔物に肉体を与えずそのまま消してしまうことができる。
この恐ろしいシステムそのものが、ラスボスになるのだと思っていました。

・VSゴーム&ミール
エリーの背景が語られる。
呼吸器系の難病の治療法が見つかり、手術を目前に控えている。
病気で希望を失っていたエリーは、アースの命を救ったことで生きる意味を見出す。
エリーの一人称が「オレ」なのはアースの指示だったんですね。
アースも元は「オレ」で「某」はキャラづけだったと。
普段の口調が堅苦しいから忘れがちですが、まだ子供なんですよね。騎士ごっこや侍ごっこしてもおかしくはない。

ゴームは不気味な外見に相応しい、異様かつ強力な能力を使う。
エリーが発作を起こしたため、勝負を先に延ばしてくれと頼むアース。
バカにするミールの喋り方は鬱陶しい。憎らしさを掻き立ててくれますね。
反応薄いゴームの方はどう思っていたんだろう。
「どうしよう……」と考え込んでいたなら可愛いな。
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